「区分所有オフィス®」のパイオニアとして成長を続ける株式会社ボルテックス。同社は、都心の商業地にある中規模オフィスビルの1フロアを販売する「区分所有オフィス」、さらにフロアを小口化する「Vシェア®」事業に加えて、近年は人材育成と企業間連携を目的とした出向マッチングサービス「Vターンシップ」に注力しています。その一環として、ボルテックス社員の赤嶺氏が、同社の税務顧問でもあるAGSグループ(以下、AGS)へ1年間の期間限定で出向しました。「不動産」と「会計」という異なる専門性を持つ両社が、人を介して深く交わることで何を得たのか。ボルテックス執行役員の松岡氏と、実際に出向した赤嶺氏、そして受け入れ先であるAGSが、アライアンスの真価と人材交流の効能を語り合いました。
「1口100万円」から始まる資産形成
はじめに、御社の事業についてお聞かせください。
当社は東京に本社を構え、不動産を活用した資産形成コンサルティングを行っています。 通常、都心のオフィスビルを1棟購入しようとすると、数十億から100億円以上という価格になり、購入できるお客様は極めて限定的です。そこで当社は、ビルを「区分所有」という形で分譲したり、小口化して不動産の賃料収入や売却益を投資額に応じて出資者に分配する「Vシェア」として販売することで裾野を広げる戦略をとっております。「Vシェア」の場合、1口100万円単位で、当社の場合は5口・500万円、もしくは10口・1000万円からご購入いただけます。これにより、全国各地のお客様が東京の優良地にある不動産を活用でき、収益による本業の安定化などの経営課題の解決にご利用いただけます。
不動産小口化商品といった市場は、近年参入する企業も増え、競争が激しくなっている印象があります。その中での御社の優位性はどこにあるとお考えですか?
おっしゃる通り、不動産取得手段の多様化や、比較的少額で投資できる商品のニーズが高まり、市場は急速に伸びています。 その中で当社の最大の強みは「商品の供給力」です。不動産小口化事業においては物件の仕入れが最も苦労する点ですが、当社は、在庫として保有する区分所有オフィスを「Vシェア」用に切り替えて商品化し、即座に市場へ供給することが可能です。ストックを切らさずにお客様へ商品を提供できる点は、当社の独自性だと自負しております。さらに、管理運営においても、当社は豊富な実績に基づいたノウハウを蓄積しており、競合に対して大きなアドバンテージがあると考えています。
過去の実績に基づいた管理の質と仕入れの安定性が、他の追随を許さないということですね。
不動産のプロが「会計ファーム」へ
今回、赤嶺さんには、御社の「Vターンシップ」を利用して、当社のクライアントサクセス部(CS部)へ1年間出向していただきました。まずVターンシップについて、お聞かせ願えますか。
Vターンシップは、当社が展開する、人材の「出向」を通じた企業間マッチングサービスです。社員の育成や成長を望む企業と、その社員を受け入れて自社の業務に携わってもらう企業をマッチングし、送り出し企業の社員は出向という形で受け入れ企業の業務に従事します。「人の流動化」というのは、やはり日本企業において遅れているテーマですから、Vターンシップを通じて、人材育成や組織活性化をご支援できれば、という思いからスタートしました。
AGSはもともと御社の税務顧問を務めておりますが、なぜ今回、不動産事業の担当者が会計ファームへ出向することになったのでしょうか。
前提として、Vターンシップの本質は「人間としての成長」であるため、出向先を本業に直結させる必要は必ずしもありません。実際に、Vターンシップを利用していただいているお客様の出向先は、IT、コンサル、技術系と多岐にわたります。それを踏まえた上で今回のお話をさせていただくと、やはり不動産を活用した資産形成に、税務の知識は切っても切り離せないものですよね。しかし、税理士法2条の規定により、私たち営業担当者が踏み込んだ税務判断や具体的なアドバイスを行うことはできません。そこを解決するために、税務のプロフェッショナルであるAGSさんのお力を借りたいというところが、今回の出向における狙いの1つでもありました。
赤嶺さんは、実際に出向される前から、AGSとの連携に関わっていらっしゃいましたね。というのも、AGSのクライアントである企業様や個人のお客様には、資産運用や事業承継対策というところのニーズが高いため、CS部として、御社のサービスを紹介させていただくことが、これまでも複数回ありました。その橋渡しをしていただいていたのが、赤嶺さんでした。
はい。私はもともと、金融機関様や会計事務所様とのアライアンス(提携)を担当しており、AGSさんも私の担当先の一つでした。 これまでも多くの会計事務所様とビジネスマッチング契約を結ばせていただいておりましたが、単なる「顧客紹介」にとどまるケースが多く、もう一歩踏み込んだ協業ができないかと模索していました。私たちの提案において、タックスプランニングの重要性は非常に高いものがあります。そこで、AGSさんのような専門家に内部から関わらせていただくことで、税務への理解を深め、より質の高い連携体制を築きたいとの思いがありました。
御社はVターンシップを事業として展開されていますが、自社の社員を積極的に送り出すという方針は当初からあったのですか?
おっしゃるとおりです。日本企業では、いまだに年功序列が一般的で、人材の流動化やキャリアチェンジがあまり浸透していません。しかし、外の世界を知り、異なる文化に触れることは、個人の成長のみならず、組織の活性化にもつながります。今回のAGSさんへの出向も、サービス提供者である我々自身がその効果を体現する、という意味合いが強くあります。
「中の人」になって初めて見えた景色
実際に1年間、AGSの一員として働いてみて、どのような気づきがありましたか?
非常に大きな視座の転換がありました。私の場合、それまでもアライアンス担当として多くの会計事務所様と関係を築き、税理士の先生方ともお話してきたのですが、まだ表層的な理解にとどまっていた部分がありました。それが、実際にAGSさんという会計事務所の中に入らせていただくことによって、業務プロセスや顧客との関係性の深さが理解できるようになりました。他の会計事務所様へご訪問する際にも、「実は私も今、会計事務所に出向しておりまして」とお話しすると、そこから話が弾み、深い信頼関係を築くきっかけになりました。
送り出した松岡様から見て、出向を通じた赤嶺さんの変化はいかがでしたか?
業務に対する思考プロセスが変わりましたね。よりロジカルに物事を考え、戦略的に業務を遂行するスタイルが身についたと感じます。 AGSさんという環境の中で揉まれたことで、単なる知識の習得だけでなく、仕事へのスタンスそのものが磨かれたのではないでしょうか。
私どもとしても、これまでもCS部として既存のお客様に喜んでいただけるサービスをご紹介する中で、御社をマッチングさせていただくことがありました。ただ、赤嶺さんが実際にCS部の一員として働いていただくことによって、より解像度を上げて、それぞれのクライアントに最適なソリューションを提案できるようになったと感じています。隣にいて話を聞かないと理解も進みませんし、それを他のメンバーに流布をするということもできなかったでしょう。実際に、赤嶺さんが関与し、資産運用にお悩みの個人のお客様にボルテックスのサービスをご紹介して非常に感謝された案件もありました。さらに言えば、直接的な案件への貢献だけにとどまらず、赤嶺さんには外部の視点からメンバーに刺激を与えてほしいと期待していました。そういった面でも、期待以上の成果を出していただけたと感謝しております。
AGSとの協業から見るアライアンス戦略の将来
今回の出向を通じて、今後のアライアンス戦略に活かせるヒントはありましたか?
業界の中でも、私たちは金融機関とのチャネルについては強固である一方、公認会計士や税理士の先生方へのチャネルに関しては、向上の余地があると感じています。ただ数を増やしていきたいのはもちろんですが、単純に増やすのではなく、やはり一社一社様とのリレーションの深度を重視したいですね。今回のAGSさんとの関係のように、信頼できるパートナーと、多角的にお互いビジネスを進めていく戦略が恐らく重要だと考えています。
ありがとうございます。この1年は、共催ウェビナーの開催など、新しい取り組みもご一緒できましたね。
セミナーは新規のお客様だけでなく、既存のオーナー様への情報提供としても非常に有効です。今後も様々な企画も進めていければと考えています。
ビジネスの相乗効果で、顧客貢献を加速させる
赤嶺さんには半年間の予定を延長して1年間在籍していただきましたが、今後もこの「Vターンシップ」を通じた交流は継続させていただければと考えております。最後に、今後の展望についてお聞かせください。
私自身、AGSの皆様とは公私ともに仲良くさせていただき、本当に得難い経験となりました。この関係を一過性のもので終わらせず、後任のメンバーにもしっかりと引き継ぎ、AGSさんとの連携がより強固な仕組みとなるよう尽力します。
赤嶺が持ち帰った知見を社内でアウトプットし、お客様へのサービス向上につなげていくことが重要だと考えています。それを実現し、Vターンシップを活用して継続的に人材を送り出し、お互いにWin-Winの関係を築いていきたいですね。 当社は今後、オフィスビル以外にも別荘や海外不動産など、資産の多角化を進めていきます。AGSさんの会計コンサルティングのお力も借りて、経営の悩みを解決する不動産ソリューションを発展させてまいります。
CS部としても、今後も御社との人材交流を生かして、既存クライアントに喜んでいただけるサービスをより充実させていきたいと考えております。本日は貴重なお話をありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
※「区分所有オフィス」「Vシェア」「Vターンシップ」は、株式会社ボルテックスの登録商標です。
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会社名株式会社 ボルテックス
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事業内容収益不動産を核とした資産形成コンサルティング 収益不動産の組成、売買および仲介、賃貸、管理 マンション管理適正化法に基づく管理業務 損害保険の代理業 有料職業紹介事業(在籍型出向マッチングサービス)
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設立1999年
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所在地〒102-0071 東京都千代田区富士見2-10-2 飯田橋グラン・ブルーム22F(東京本社)
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